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CTから読み解く犬猫の健康管理の重要性

CTから読み解く犬猫の健康管理の重要性

CTから読み解く犬猫の健康管理の重要性

獣医療の診断技術が進歩したことで、さまざまな病気への対応が可能になってきました。しかし、適切な治療を行うには、まず正確な診断が不可欠です。そして、検査は実施するだけでは意味がありません。その結果を正しく読み解く力が重要です。当院では80列スライスCT装置(0.5mm×80列検出器)を使用し、非侵襲的に生体の断面像を捉えることで、非常に診断価値の高い画像を得ることができます。さらに、これまで以上に高速かつ高精細を実現でき、撮影時間の短縮(300mmの範囲を0.5mmスライスで最短3秒)によるどうぶつの検査環境の向上や、画質向上による診断業務への貢献など、より質の高い検査が可能です。また、造影検査を組み合わせることで腫瘍の発見だけでなく血行などの評価が可能となり、より正確な診断を行うことができます。CT画像は画像専門医と連携することにより的確な診断を行っています。
今回は当院で2021年と2022年に実施したCT検査をまとめ、その内容を考察していきます。
当院では地域の中核病院として座間市、相模原市、大和市、綾瀬市、海老名市、大和市、横浜市などの近隣病院から数多くCT検査のご依頼を承っており、多くのCT検査を実施させていただいおります。その結果をまとめ、公開することでより多くの犬猫とそのご家族のお役にたてるのではないかと考えております。

臓器別では消化器疾患が、疾病別では腫瘍が最多

一言で消化器といっても、肝臓、胆嚢、胃、小腸、大腸、膵臓と多様です。中でも犬では肝外胆管閉塞といって総胆管などの胆道系がなんらかの要因で閉塞してしまい黄疸を引き起こす病気が非常に多いです。また、歯槽骨が溶け鼻炎や頬骨膿瘍を併発してしまうほど進行した歯周病も非常に多くなっています。
これらの疾患は日々注意して生活することで発症リスクを軽減することができます。肝外胆管閉塞では脂肪分の多い食事を控えること、歯周病では毎日のオーラルケアを心がけることがその予防につながります。
また、犬・猫の高齢化に伴い腫瘍疾患が多くなっています。乳腺腫瘍などの雌性ホルモンに関連する腫瘍では早期の避妊手術をおこなうことで発症リスクを軽減することができますが、全ての腫瘍でその発症を抑制する方法があるわけではありません。そのため、定期的な健康診断が重要となります。

7,8歳を過ぎたシニア期になると症例数が顕著に増加

1 歳前後の若齢期では先天性疾患や異物誤食などで検査となるケースが多いです。2022年では犬は14歳が、猫は11, 12歳が最多となっています。
一般的にはシニア期になる7歳を過ぎるとさまざまな疾患が増えてくると言われています。
病気は早期発見、早期治療が重要です。早期であれば治せる可能性が高く、治療においても早期であればあるほど身体面での負担や経済的な負担が軽いと考えられます。また、適切な対処によって予防にもつながります。

7歳までは年に2回
7歳以降は年に3回の検診を受けることが大切です

獣医療では一般的にCT検査をおこなう場合には全身麻酔が必要となりますが、当院では極力犬・猫の体への負担が少ない麻酔法を選択しています。加えて、当院のCT検査装置は撮影時間が非常に短く(300mm の範囲を 0.5mmスライスで最短3秒)、動物の検査環境の向上や、画質向上による診断業務への貢献など、より質の高い検査が可能です。
動物の状態によりますが無麻酔での CT 検査も可能となっています。健康診断や犬・猫ドックでのCT検査も受け付けております。
穏やかで幸せな毎日を送ることができるよう、大切な家族の健康管理に努め、一緒の楽しい時間が長く続くとうれしいですね。